POPMALLの大西流星さんの感想を一息で語る

現場でもオープニングからラストまでずっと「流星くんかわいい〜!!!!!」とぶち上がっていたけど、円盤のおかげであの夏のかわいいを構成していたレシピをやっと確認できた気分です。がっつりラメもほんのり桃色の頬もばっちり上げた睫毛も全部が最高だったけど、それらがほぼほぼ流れ落ちたあとの笑顔がいちばん刺さりました。おたくなので。

流星くんのメイクって本当にん???がなくて全部が「(その日の)大正解!」なんですが、その中でも私はライブのメイクがいちばん好き。雑誌より多めに輝いている涙袋、バラエティ番組より鮮やかな色のリップ、かわいいと言われ慣れてるであろう流星くんのもっとかわいくなりたい!という強い気持ちを浴びられる気がするので……。睫毛の角度と涙袋のラメに気合を込めるそのマインドが本当に好きです。

そして個人的にはMCも観たかった回で嬉しかったです。お腹抱えて大爆笑できたか?巧みなトークだったか?といわれたら正直そういうわけではないんですが、好きなひとがみんなに愛されて大切にされていることに喜びを感じるオタクなので、ラーメン食べた翌日なのにかわいいという最高の賛辞をありがとう長尾ちゃん。謎スキップは正直あんまりよくわからないんですが(私自身が運動神経悪すぎて流星くんがどう出来てないのかいまいち判別つかない)なんかぴょこぴょこしててほんとに愛おしかったですね。

あと後半のダンスパート佳境のLAI-LA-LAで一瞬だけふわっと笑っているように見えるのが本当にたまらん。身に纏う世界観をいつも自ら選んでいる(そしてデフォルトを最も需要があって自分の顔立ちとも合致する"かわいい"に寄せてくれている)流星くんの優しさと頭の良さが好きなんですが、ライブ後半戦のめちゃくちゃ体力的にもキツい場面で踊り続けなければならないとき、普段身に纏っているすべてを解き放っていろんなことからフラットになってる表情がほんの一瞬だけ垣間見える気がします。好きだ〜〜〜!

 

長い長いおたく人生を経て、好きなアイドルが好きなテイストのパフォーマンスやコンテンツを発信してくれるのってとんでもない確率なんだと身に沁みてわかっではいるけれど、それでも「この人ならずっと私の好きなものを届けてくれるかもしれない…!」というささやかな希望を抱いた夏。いつかあなたがかわいいに飽きたとしても、それを手放したいと思ったとしても、それでもいい。キラキラと王道の先に生まれるものがあるのなら、そこまで見届けたいと素直に思いました。

それでも今はまだ「かわいい!」を伝えられることに感謝して。奇跡みたいな季節をありがとうございました!POPMALL大好き!

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映画『夜明けのすべて』感想

 一人で来ていた中年の男性はイビキをかいて爆睡していた。本編上映の直前までスマホを触っていた高校生くらいの女の子2人組はエンドロールの途中で「よくわからなかったね〜」と言いながら席を立った。頼むから勘弁してくれ!静かに観させてくれ!と内心思っていたが、でもこの人たちにはきっと本当に"よくわからない"のだろうということもなんとなく理解できた。この映画ほど「わからない人にはきっと本当にわからないんだろう」と感じる作品もなかなか無いだろう。わからないということ、それは(ある意味で)幸福な人間であることを意味している。

 PMSパニック障害、身近な人との死別。自分の意志ではどうにもならない辛さを抱えたままで生きている人たちの日常が最初から最後まで淡々と描かれていく。劇的な事件は起こらない。ある日突然悩みが解決することも勿論ない。ただただ日が沈み夜がやって来てまた次の朝を連れてくる日々。資格試験や大学受験とは違う、努力という剣では倒せない敵が確かにこの世界には存在していて。『夜明けのすべて』は、そういう自分ではコントロールできない"なにか"と対峙している人たちにスポットライトを当てた作品だ。私は悲しいことにこの作品に共感できる側の人間だったので、正直辛すぎて耐えられず目を瞑ってしまうような場面もあった。

 「男女の友情が成立するかなんて人によるし僕は興味がないけど、少なくともどんな関係性であろうとも、人は人を助けられる。できることがある。」「自分の症状はどうにもならなくても、相手の症状に対処してあげることならできるかもしれない」ままならないことが多すぎる世界で、思うように動かない身体で、それでもお互いに手を差し伸べることならできるというささやかな気付きがひとつの光になっていく過程が丁寧に描かれていた。『人は人を助けられる』『相手の生きづらさを想像して寄り添うことは誰にでもできる』ということを、知っているはずなのにいつの間にか忘れていたことを、さまざまな形で思い出させてくれる時間だった。物語の舞台をプラネタリウム製作会社にしたことで、永遠に輝き続ける果てない天体と生まれては消えていく人間の対比も際立っていたと思う。

 この映画で描かれているような生きづらさを知らないままで生きていられる人生はきっと穏やかで幸せなんだろう。それでも、その幸福が、知らず知らずのうちに自分の周りにいる誰かを傷つけているかもしれないとしたら。私はできるかぎり他人の痛みに寄り添える人間になりたい。身近な人たちの生きづらさに共感できる自分でありたい。そんな綺麗ごとを、なんだか真剣に誓いたくなった。

 入場時、『よくわかる!PMS』というリーフレットが配られたことが印象に残っている。帰宅してからぱらりと読んでみたところ、PMSに関する説明がきちんと丁寧にまとめられていた。あのとき「わからないね」と言って席を立った人たちにこそ、どうか少しでも此処に書かれている情報が届いていてほしい。人は人を助けることができる、そんな手の届かない星のような希望が、確かにそこに込められているような気がした。

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私は結局何が好きだったのか

 思えば、物心ついた時からジャニーズが好きだった。お小遣いを握りしめて友達とドキドキしながらショップに並んだ幼少期、遠征という単語を覚えて友人と全国各地に飛びまわった大学生時代、仕事や恋愛が占めるウエイトが大きくなるに連れて現場からは離れつつも偶にテレビで見かけると嬉しくなっていた社会人初期、想定外の鋭角なUターンをキメて見事に返り咲いてしまった現在。浅瀬でちゃぷちゃぷ遊んだり深海にどっぷり沈んだりしつつジャニーズのコンテンツに触れながら生きてきた。今後もこんな日々が波のように満ち引きを繰り返しながら続いていくものだと信じていたし、オタ活との距離感に自分の歩んだ人生が表れているなあとも感じていた。

でもそれらは全て「彼らが変わらずに形を保ったままで同じ位置に存在していること」が大前提だった。私はすっかりそのことを忘れていた。あまりにも長い間、生まれる前からずっとそこに在ったのだから。だからこれからも変わらずに在り続けるのだと、漠然と思い込んでいた。そんな保障など何処にも無かったのに。

 私は、灯台を見失った船のような気持ちになっていた。

 

 第一に、昨今の問題については「どのような課題が存在していて、解決策としてこのような行動を取る」という相関関係を明確に示した上で被害の救済を進めて欲しい。目に見える何かを変えることに重点が置かれるあまり「何のために」が置いてけぼりになってはいないだろうか。目的と手段が逆転してはいないだろうか。何よりも、どうか心を痛める人がこれ以上増えることがありませんように。直接的、間接的問わず一連の件で被害を受けた人たちがこれから適切な対応を受けられることを望んでいる。

 

 そしてもうひとつ、最近ずっと考えていること。ジャニーズという趣味が私にとっての灯台だったとして、その光は結局なんだったんだろうか。応援しているアイドル(いわゆる自担)は変わったり増えたりと変化を重ねていた中で、それでもずっと"変わらない"と確かに感じていた光の正体。「ジャニーズが好き」という私は、結局のところ何に惹かれていたんだろう。

 空を飛んでいるヒーローでもなく、手を伸ばせばすぐに触れられる人間でもなく、同じ国で同じ時代を生きていて、でもほんの少しだけ地面から浮かんでいそうな人たち。自分の毎日にいちばん近く、でも絶対に交わらない場所にある人生。その距離感だからこそ得られる感情が確かにあった。

 ポップでキラキラした音楽、細部にまでこだわった豪華な衣装、訳がわからないのに何故か最後には感動してしまう舞台、暗闇を彩るペンライトの海、巨大なうちわで好きな人の顔面を掲げる文化、メンバーカラー、「尊敬する先輩」、315円で些細な日常を共有してくれたウェブ、地元が被災した際に支援してくれたこと、感染症下で生まれた一生懸命手を洗う歌、帝国劇場の赤い絨毯。大集合で新年を祝うカウントダウン。とてもじゃ無いけれど此処に書ききれないほどの些細な要素が少しずつ積み重なって、地層のように長い時間をかけて、私の「好き」のかたちは構成されてきた。

 大衆向けの文化だとかアイドル産業だとか様々な表現があると思うけど、私にとってのジャニーズは地に足をついて見られる夢で、日常の延長線上にいつもある身近な芸術だった。きっとそういうところが好きで、いつも同じ場所から毎日を照らしてくれる光だった。

 

 大学時代の教授が言っていた「貨幣は世界最大の宗教である」という言葉をいまでも偶に思い出す。ただの紙が貨幣という名前を与えられただけで、良くも悪くも全てを左右する効力を持ってしまう。共通の認識がいつのまにか事象に本来持っている以上の意味を与える。

もちろん規模も解釈も正確には全く違うが、私にとって「ジャニーズ」もいつの間にかそういう神話に近いものになりつつあったのかもしれない。良くも悪くも目が醒めるような一連の出来事を経て、これは神話でも宗教でもなく、人間が発信しているコンテンツに過ぎないことをやっと認識することができた。だからこそ事務所はタレントに限らずすべての関係者が適切な環境下で生きられるように、全ての人を傷つけないエンターテイメントのために、まだまだ議論を重ねていかなければならないのだと今なら思う。

 ジャニーズは完結している神話ではなく、これからもまだまだ続いていく物語であって欲しい。どうか、良い方向に進みますように。私の好きな人たちが、今日もできるだけ元気でありますように。

 どうしようもない毎日を今日も必死に泳ぎながら、また灯台に光が灯る日が来ることを心から願っています。

気持ち次第で世界は変わるから 『Make Up Day』が好きだという走り書き 

 染まって、光って、滲んで、混ざって、彩りを添える。現在の私はいろんな感情や日々のタスクが頭の中で絡まって混ざり合い混沌としているけれど、そうやって毎日少しずつ色を変えることを繰り返しながら続いていくのが人生なのかもしれない。そんなことを思いつつ、今も満員電車に揺られながらMake Up Dayを聴いている。

 2023年9月にこの歌があって良かった。”頑張れ!”も”負けないで!”もどこにも出てこない優しい応援ソング。「明日は新しい服を着てみよう」とか「たまにはハイヒールも履こうかな?」とか、日常に彩りを添えてみようと思わせてくれる、その一歩を踏み出してみようという気持ちになれる歌。考えてみたらアイドルを応援することも私にとっては生活における”彩り”のひとつで。無くても生きてはいけるけど、触れることでほんの少しだけ毎日に新しい色が生まれる。日常が鮮やかになる。そんな感情の原点を改めて思い出させてくれた。

 「ノリが良ければ気持ちがアガるから」と「嫌な自分さえも 愛せたならいいな」がひとつの歌に込められているのも好き(ここが恭平くんと長尾くんのパートなのも個人的にはめちゃくちゃ刺さる)なにわ男子さんのパフォーマンスって最終的には全てがこのマインドに繋がっている気がする。パフォーマンスやデザインが変わってもアイドルとしてのコンセプトが一貫しているところに私はとても惹かれているんだと思う。

 「一瞬一瞬を綺麗に残そう」という製作陣の気合が感じられるMVも本当に好き。色鮮やかだけど決して派手ではない色調が、”日常を彩る”Make Up Dayのメッセージともぴったり。透き通った水面のライトブルーの透明感と鮮やかさのバランスが絶妙だと思う。衣装もみんな似合っていてかわいい。何よりも流星くんのプロデュースしたリップを塗った7人の表情をこんなに綺麗に撮っていただいたことが本当に嬉しすぎる。なにわ男子さんたちが流星くんのコスメを使っている姿をいつか見てみたいな~と思っていたけれど、まさかMVで残してくれるとは思ってもみなかった。嬉しい(2回目)ありがとうございます。

 カップリング含めて全部聴いてから感想をアップしようと思ってたけど、どうしても今日の気持ちを残しておきたくなってしまい、勢いだけでここまで書きました。発売おめでとうございます。どうかたくさんの方の日常を彩ってくれる歌となりますように。

www.youtube.com

自分を幸せにするための言葉

「緊張したときは『楽しみー!』って言い続けて自分の脳をだます」

「言葉で自分を納得させる」

「幸せとか楽しいとか声に出すことでほんまにそういう気持ちになるし、気持ちが明るくなる」

「自分を幸せにするための言葉を言っていたら、絶対に可愛くなっていく」

21歳の流星くんが教えてくれた考え方。自ら発する言葉や行動で人生を動かしていく、この強さと朗らかさが好きなんだなあと実感できた一年間でした。自分の人生に対していつも主体的で、人生の楽しみ方を知っているひと。粉々に割れた愛用パウダーファンデに「粒子が細かい証拠や!」と言ってみたり、ベランダのローズマリーに名前を付けてみたり、AMBITIOUS JAPANが流れる最終日の新幹線に乗ってみたり、毎週ブログに書いてくれる些細な日常のできごとが素敵で、毎日の切り取り方がなんだか優しくて、私もこんな目線で世界を見てみたいと何度も思いました。

 

好きなものや興味のあることを仕事にできるかどうかは正直タイミングや運も大きいけれど、好きな気持ちを鮮やかなまま保っていられるのはきっと意識的な努力の結果。流星くんの「ずっと好きだしずっと楽しそう」な姿勢には本当に尊敬しかないです。覚悟を決めて好きを貫く精神力の強さ、誰よりもかわいくて綺麗でかっこいいよ。

 

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積みあがった仕事がどうしても終わらず意識朦朧で迎えた徹夜明け、ずっと楽しみにしていた大切な人との特別な日、緊張のあまり上手に笑えなかった部署異動初日。SNSにもテレビにも触れる余裕がなかった数えきれないほどの朝、それでも私の手元には流星くんがプロデュースしたコスメたちがありました。どれだけ日常に追われていても、思うようにいかない毎日でも、私はわたしの好きな色を身に着けている。たったそれだけの事実で、ほんの少し目線を上げることができました。「応援しているアイドルのコスメで気分を上げる」言語化したら本当にただのオタクの行動に過ぎないけれど、取るに足らない作業だった時間に新しい意味ができたことが本当に嬉しかったです。私の人生にポジティブな感情になれるトリガーがひとつ増えました。(考えてみたら昔は新作コスメにわくわくしたり気合入れてコフレの争奪戦に参戦したりしていた時期もあったはずなのに、いつの間にかその気持ちを手放してしまっていたな~ということにも気づきました)

 

 買えていない雑誌も、見れなかった番組も多分たくさんある。最新情報を毎日かかさず追えているわけでもない。「私の生活の中心です!」と胸を張って言えるほどの応援はとてもじゃないけどできていない。それでも、21歳の流星くんのおかげで、私の人生に新しい色が増えました。

夢中ネイビー、絶対的ピンクベージュ、策略ピンクブラウン、しのばせフィグ、ぜんぶ貴方がステージに立っていなかったらこの世界に生まれかった色だよ。

22歳の流星くんはどんな色で世界を彩ってくれるのか、今年もとっても楽しみです。

 

 「自分を幸せにするための言葉で絶対に可愛くなれる」と教えてくれたから、私も私を幸せにする言葉を言ってみたくなってこの記事を書きました。どうかあなたが心から大切だと思える人たちと一緒に、好きなことをたくさんして、大好きなものに囲まれて、楽しい人生を過ごせますように。お誕生日おめでとうございます!世界一かわいい!大好き!

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暮らしとアイドル、この3年間のこと

 明日から新型コロナウイルスの感染法上の分類が、「5類」に引き下げられるそうです(インフルエンザ等と同じ分類にあたるらしい)。この3年間ってなんだったんだろう?という未だに答えを持たない感情をせめてそのまま文字に残しておこうと思い、これを書きました。ただただ思い浮かんだことを特に推敲せずそのまま吐き出しています。読みづらかったらすみません。ブログという場所を持っておいてよかったね私。

 

・私の仕事は誰の命も救えない

 比較的早い段階から在宅勤務を選択することが出来たので、おそらく感染症に対応する労働環境的には恵まれていた方だと思う。本当に感謝しかない。ただ、労働時間はとんでもないことになり、働いている業界全体が見事に打撃を受け(勿論ほぼ全ての職業でなんらかの影響はあったと思うが)、最初の緊急事態宣言あたりは精神的にかなり辛かった。仮に同じ業務量でも、「何かを作り上げるための労力」と「すべてを無にするための労力」はまるで質が違う。連日続いたキャンセル調整、自分たちで作り上げたものを自らの手で更地に戻すことを繰り返す日々。何度も心が折れそうになった。そして何より大勢の方々が人命やライフラインや生活に必要な物品を供給するために必死で働いてくださっているなかで、「私の仕事は誰の命も暮らしも救えない」ということに対して、無力感がなかなか拭えなかった。

 

・お葬式ができなかったこと

 コロナで入院したことも、亡くなったことも、お葬式は断られたということも父からのLINEで知った。私の手元には文字情報しか残らなかった。面会も火葬の立ち会いも葬儀も許されなかったので、あまりにも実感がなくて、亡くなったというよりもふいに消えてしまったような感覚が未だに抜けないよ。本来ならとても大変で重労働でたくさん作業が発生するはずの親族の死なのに、あまりにもあっけなくて、悲しいくらいスムーズで、父が「特にすることがない…」と困惑していたことを覚えている。この徹底した感染対策の結果が、もうすぐやってくる明日なんだと思うしかない。

 

・アイドルにとても救われた

 エンタメに泣かされて、エンタメに救われた3年間だった。結局。

 

・私の仕事は誰の命も救えない、けれど

 つい最近観た過去のROTで西畑さんが「アイドルは必要な職業ですか?」という問いに対して、「誰にとっても必要なものでないけど、必要とする人がいてくれるのなら頑張りたい」をいう主旨のことを言っていた。もちろん仕事の規模も責任の重さも何もかも比較にならないくらい違うけど、私にとっては西畑さんのこの言葉が3年間の答えでした。ありがとう。

 

この3年間のこと、良い思い出でも辛い記憶でもなく、できるだけフラットに、今手元にあるこの感情のままで、せめて忘れないでいたいなあ。そして明日を迎える瞬間はできるだけ楽しい気持ちでいたい。YouTubeでも観ようかな。

どうか、できるだけ穏やかで優しい明日がやってきますように。おやすみなさい。

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限界OLと深夜のハッピーサプライズ ~『ハッピーサプライズ』感想~

どうせ耳を塞ぐなら、せめて好きな音が良い。
そう思いながら初めての再生ボタンを押した。本当はこの仕事の山場を越えるまで大切にとっておいて、達成感と共に聴くはずだったハッピーサプライズ。実際は深夜と明け方のあいだみたいな時間帯に、疲れ果てた体で封を切った。ビニールの切れ端はガタガタだった。上司と客先に叱責されて地面にめり込む勢いでへこんでいた。とにかく何か違う音で耳を塞ぎたい。ただただ怒声の記憶から逃れたかった。

でも、聴こえてきたのがあまりにも好きな音で。好きな音をたいせつに歌っている7人の声を聴いて、大げさだけど世界が開けた気持ちになった。ほんの少しだけ気分転換するつもりだったのに、気分どころか目の前の景色まで変わって見えた。気づけば大急ぎでCDを取り込んでいた。イヤホンをしたまま早朝のタクシーで全曲聴いて「うわ〜!全部好きだな〜!」と抱きしめたくなった。

結局繁忙期を乗り越えてから堂々とハッピーサプライズするという誓いは守れなかったが、それでもあの瞬間に聴いたのは正解だったなと思う。

限界OLがなにわ男子さんに救われるシリーズも流石に前回がラストだと思っていたのに、またしても魂を救われてしまった。もはや何度目かわからない。とりあえず今回もこの気持ちを此処に残しておこうと思う。好きなアイドルが自分の好きだと思える歌を歌ってくれることが本当にただただ嬉しかった2022年冬の記憶。


ハッピーサプライズ
最初にタイトルを聴いたときに浮かんだのは、プロポーズとか誕生日とか人生における特別な一日。一世一代の大切な日。でも、2022年のなにわちゃんたちのサプライズはどちらかといえば「なんでもない日を特別にする」歌だった。名前がついていない日すら特別に感じられる、降り積もる雪が魔法だと思える、そんなキラキラした気持ちをぎゅっと詰め込んだ一曲。たとえるならジャニーズ版「お誕生日じゃない日のうた」。『特別な1日を君にリボンをかけて渡そう』でリボンをかけてみたり、『ハッピーサプライズ!』で唇にファスナーをかけてみたり、歌詞の世界観を体現する振り付けもディズニーアニメっぽくて大好き。

きっと5年後に聴いたら「特別な1日を君に」の響きも表情も想起するシチュエーションも今とは全然違うんだろうなあ。2022年のなにわちゃんたちが歌うハッピーサプライズを目に焼き付けたい。そして長尾くんが40歳になってもリボンをかける姿の可愛さに湧いていたいよ。

#MerryChristmas
一人称が「僕」ではなく「僕ら」なのがとても好き。彼氏でもサンタさんでもなくアイドルとファンのクリスマスソングってなんだか珍しくないですか?ちびぬいを可愛がる気持ちに共感してくれたときにも感じたけど、私はこういう“クリスマスプレゼント”の立ち位置で居てくれるなにわ男子さんにとても救われていると思う瞬間がある。
疲れ切った深夜に聴いて初めて気づいたけど、『たった一人で頑張ってる君』をなにわちゃんたちが寄ってたかって楽しませようとしてくれる歌なんですよね。誰よりも楽しみながらこちらも楽しませようとしてくれる、この姿勢こそ私が彼らを好きになったきっかけだなあと。限界OLの涙腺に直撃する一曲だった。あとはなんといってもMVが信じられないくらい可愛い。毎日毎日見るたびに「今日がいちばん可愛い!」と思う。今日がいちばん可愛いし、明日はきっともっと可愛い。そして西畑さんの『溶けない♩』は現存する4文字の言葉史上最も可愛い。

冬がくれたたからもの
一音聴いたらジャニーズソングだと解る音に惹かれるので、製作陣を見ただけでもう好きだと思った。そしてやっぱり好きだった。普段は大橋くんの声がピックアップされることが多いけど、なにわちゃんたちって七者七様にみんな声が特徴的で。そんなフレーバーの違うキャラメルボイスを満喫できる曲。特に『ポケットに入れた君の手 握り返してくれたね』の流星くんの歌い方がとても好き。音楽の専門的な知識は全く無いけど、一音一音に心がこもっていて、音が大切にされているなあと感じて、なんだか丁寧に創られた作品を聴いているという気持ちになれる。あとサビ前の長尾くんからみっちーの流れも多幸感がすごい。道枝くんって喋る声と歌声にギャップがある気がしていて、不意にあの甘い声を浴びると「え?今のパート誰?」と思わず振り向いてしまう。

 『さみしいと気づくほど熱くなる気持ちもある』という真冬の恋の表現があまりにも美しくて、そっと栞を挟みたくなった。

Flower in the snow
個人的には初恋LOVEセカンドシーズンだと思っている。彼女を雪に咲く花にたとえたド直球の初々しさが眩しい一曲。私は長いジャニオタ人生でずっと「今しか歌えない歌」を歌っているアイドルが好きだったけど、その時間は長くは続かないということにもなんとなく気づいてきた。なにわちゃんたちがこの曲のように『キミの前ではカッコつけていたい』を歌ってくれる今を大切にしたい。

『時間よ止まれ… わけないな』で、恭平くんと大橋くんが“ふたりでひとりを歌っている”のがとても良かったな。感情が高ぶった瞬間の、心の中にいろんな方向から声が響いてくるあの感覚が伝わってくる。橋橋の掛け合いパートいろんな曲でもっと聴きたい。

One Pocket
嵐でこの世に生を受けたオタクなので、なんだか再生ボタン押す前から知っていた気がするくらい耳馴染みが良い。2010年頃に国立競技場で空を見上げながら聴いた記憶が蘇ってくる気すらする。嵐を通ってきた方ならなんとなく伝わるかなと思うのですがどうでしょうか。駅のホームに発車ベルが鳴り響き、ポケットを塞ぐスマートフォンがない世界。綺麗な空白だけを残す失恋もアイドルが見せてくれるひとつの夢だなと思う。好きなひとが歌う喪失ってどうしてこんなに惹かれるんだろうね。

あとずっと知ってたけどやっぱり大橋くん歌が上手い。落ちサビ聴くたびに“寂しそう”で“綺麗”な声の表現力と技術力に聞き入ってしまう。「歌が上手・グループ内の歌担当」と既に認識している状態でもまだこんな新鮮に感動できるって凄いこと。きっと想像もできないほどの努力の結果なんだろう。

君に恋をした
今回のCDに収録されている曲本当に全部好きなんですが、その中でも一押しかもしれない。『きっと気づいてくれますか?』で短編映画一本見た気持ちになれる。丈くんほど敬語の歌詞が似合うアイドルはいない。このパート本当に良い。あと大橋くんの『ため息は真っ白』も8音の表現力が凄いし、細かい歌割がなんとも秀逸でキラキラした冬のストーリーが浮かぶ一曲。

息が切れるような全力疾走じゃなくて夜の高速道路を走ってるみたいな、心地よい疾走感のあるサビがめちゃくちゃ好き。首都高をドライブしながら聴きたい。『見慣れたこの街も煌めきを増した』で車窓から覗く東京タワーまで想像できる。


特別なことなんて何ひとつ起こらない日々の中で、自分の好きなアイドルが自分がめちゃくちゃ好きだと思える歌を歌ってくれることは私にとってこの上ないハッピーサプライズです。この作品がたくさんの人たちの特別な瞬間を彩り、あなたにも私にも素敵な冬が訪れますように。

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