ダイヤモンドスマイル哲学 〜"相手役"じゃない王子様〜

 王子様だけど相手役じゃない。ダイヤモンドスマイルが描く"ちゃんと自分も大切にする"世界観が好きだと思う。

 どこをどう切り取っても王道ドドド真ん中キラキラアイドル系パフォーマンス。この世のかわいいをぜんぶ集めてきたような華美な衣装を纏って踊るお伽噺のようなMV(本当にこの衣装最高すぎ。世界でいちばん好きな布)。でもそんな完璧なまでの王子様たちは、決してただの"相手役"ではなくて。誰かの幸せを満たすためだけに生まれた架空の存在じゃない、自我もキャラクターもがっつり強い王子様。(勿論そうであって欲しいという勝手な願望が多分に含まれているけれども)「自分の幸せも大切にしているアイドル」の姿をMVから感じることができて、歌詞が描く優しい自己肯定感が目に見える世界になって現れたことが嬉しかった。

 MVで特に印象的だったコスメやソーイングメジャーやプリンといった小道具たち。7人だけで楽しそうなティータイム。キラキラが一方的に消費されていない、ファンを幸せにしたいと思ってくれる気持ちが伝わってくる一方でちゃんとなにわちゃんたち自身もめいっぱいはしゃいで楽しんでいる姿に幸せをもらった。そう、此処までこんなに長々と書き連ねたけれど結局は「楽しませてくれる」を超えた「楽しそう」にいちばん惹かれたという話だ。

 あなたが自分の好きなところもキライなところも素直に受け入れて、今よりも自分のことを大切に思えますように。世界には恋に限定されない愛もあるよ。ダイヤモンドが贈られる"いつか"を願って待つだけじゃなくて、自分が持っている石を磨いてみよう。私にとってダイヤモンドスマイルはそんなほんの少しだけ前向きな気持ちになれる歌だ。ラブソングであり応援ソングだなあと聴くたびに感じる。私はまだこの歌を生で聴いたことはないけれど、画面越しのパフォーマンスを見るたび、客席にいる誰よりもステージ上のなにわちゃんたちご本人が楽しそうに歌っている姿が、その笑顔の眩しさが心に残っているよ。自分の力で幸せになれる王子様たちと『今以上のキミ』がいつか出会えるかもしれない未来。ダイヤモンドを待っているだけのお伽噺よりもずっとずっと素敵なストーリーで甘い運命だと思いませんか。

「私を幸せにしてくれるあなた」に救われた瞬間は数えきれないほど在るけれど、でもそれ以上に「幸せそうなあなた」が私の幸せなんだよ。どうかこれからもずっとずっと毎日楽しく、健やかに、自分のために幸せで居てください。いつかは生で聴いてみたいです!ファーストアルバム発売おめでとう!